ナント種苗総合カタログ2023
26/180

(写真)ハウス増設と共に秋収穫の抑制スイカ栽培への取り組みもスタート。(写真)ハウス増設と共に秋収穫の抑制スイカ栽培への取り組みもスタート。24重石公章さんと紀子さんご夫婦。重石公章さんと紀子さんご夫婦。▲ヒタントの3人は、地元日田の農家のみならず、熊本・植木町の同世代スイカ農家との交流も盛んに行い、互いの技術交流や意識の共有を図る。植木町の農家とは「NANTOレンジャー」なる五人組を結成し、オリジナルTシャツも出来た。◀ふりや重石農園の「金色羅皇」と「羅皇ザ・スウィート」はブランドスイカ専門のECサイト「あまいスイカ」でも完売必至の大人気アイテムとなっている。▼「あまいスイカ」の佐藤洸代表(中央)を挟んでのスイカ査定会の様子。左端は栽培技術指導を行うナント種苗熊本出張所の原口所長。▲ふりや重石農園にて今年6月初旬に試割りされたハウス栽培の「羅皇ザ・スウィート」の果実。中心糖度のみならず、皮際の糖度も14度オーバー。皮際まで糖度を乗せても肉質のシャリっ気がしっかり維持されており、絶品に仕上げる。▲重石修平さんの今年の「金色羅皇」の糖度記録は17.3度。ヒタントは3名ともに極めて高水準の「金色」を安定して出荷している。それでもヒタントは「金色羅皇」に挑む。お客様が「感動・感激」してくれる瞬間が堪らない。重石公:私は「金色」の日焼けがありました。ナントさんの農場見学会(6月末開催)にご招待頂き、夫婦で参加させて頂きましたが、ちょうどその時に急激な猛暑となりました。帰って畑を見たら、「ザ・スウィート」は何ともありませんでしたが「金色」の果皮が日焼けの影響を受けていました。来年は玉に新聞紙を被せる日焼け対策を検討したいと思います。平川:「金色」は栽培が難しい品種ですが、それでもしっかりと完熟させて収穫できた時は感無量です。高値で取引して頂ける事もそうですが、お客様からは「美味しい。甘い。スイカじゃないみたい」とその味と果肉色の鮮やかさに感動・感激して貰える瞬間がたまりません。上手く生産できる様に精進するのみです。◆最後に次年度の方針や将来に向けての夢や抱負をお聞かせ下さい。重石公:まずは「ザ・スウィート」と「金色」の2品種に集中して、品種の特性に応じた栽培技術を高めたいと思います。そして「ヒタント」3名に共通する方針として、天候リスクに対応できるハウス作の比率を徐々に高めて行き、品質水準を高めて行きたいと考えています。ハウスでは夏定植の抑制スイカにも取り組み始めております。重石修:私は来年に露地作は完全に無くして、ハウスを15アール増設する計画です。平川:私は今年までハウス作は無かったのですが、新設ハウスで来年からハウス作を始めます。「日田スイカ」を、「ヒタント」を、全国有数のトップブランド産地にしたい!必ずしてゆく!重石公:全国的に農家の高齢化でスイカ生産量はこれからも減少して行くと言われていますが、同時に高単価傾向が進むため、お客様の求める品質基準も高くなっていくと思います。私たち「ヒタント」は、「日田スイカ」がこうしたお客様に評価されるブランドスイカとなるべく挑戦し続けたいと思います。そして自分たちの世代だけではなく、我々の子どもか、子でなくても誰かが「日田スイカ」を継承できるようにしたい。その橋渡しとなれるように我々が栽培技術とブランドを確立しておきたいと思っています。重石修:私は長男が生まれたばかりですが、息子が継ぎたいと思えるスイカ屋になることが先ずは目標です。平川:私はヒタントのメンバーでいつか「日田スイカ」を全国トップレベルのブランド産地にしたい。スイカを生産し、販売も手掛けるような会社にいずれなれたら良いと考えています。取材後記:今回の取材を通じて感じさせられたのは、ヒタントのお三方の人間性の高さ、互いを尊重しながら高め合おうとする結束力、そして言い訳することなく自らに鍛錬と努力を課するプロフェッショナリズムでした。すでにヒタントが作るスイカはファンを唸らせる一級品ですが、心身ともに充実したヒタントがさらに鍛錬を積み、栽培体系を確立させ、トップレベルのブランドとなることを心から応援しておりますし、将来は次の世代に渡ってヒタントが継承される強固なブランドとなることを願ってやみません。今回は取材させて頂き、誠にありがとうございました。

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る