●「金色羅皇」は交配までの草勢が強くてコントロールにいつも苦労する。●今年は天候も悪く、予定していた節位に着果ができなかった。ツル●「金色羅皇」は肥大は良いのだが、糖度バラツキを無くすのに苦労する。●玉焼け防止のために遮光ネットを使用したところ、糖度が上がるまでの日数をさらに4日分余計に掛けざるを得なかった(着果日から62日も掛かった)。それでも肉質はしっかりと維持できた。●「金色羅皇」は果梗部の茎の付け根がポキッと外れやすいので、玉返し●「金色羅皇」の1年目は草勢強すぎてツル先が勝手に折れてしまった。●1年目も2年目も上手く栽培することができたが、肥大良すぎて重い●「金色羅皇」は栽培は苦労があるが、秀品率高く、階級サイズが大き引きして、ひと花先の雌花で着果してくれた。の時は注意が必要。●やはり寒い時に着果した「金色羅皇」は裂果が多かった。花落ち部にヒビがあるかどうか要チェック。●初年度は裂果に悩まされたが、交配前後の「蒸し込み」による温度湿度管理を十分に行うことで、裂果は大幅に減少した。●今年初めて「金色羅皇」に挑戦したが、初期は草勢強く、終盤は大人しすぎて萎れさせてしまった。潅水と換気のコントロールで対応した。2年目は元肥を半分に減肥することで大人しくコントロールすることができたが、その分、果実肥大も大人しくなってしまった。丁度良い頃合いを模索中です。●仕上げ期は雨天でもハウスを締め込まずに換気を優先したら、玉焼けが減少した。●単棟ハウスだと、「温度溜まり」があり、場所によって温度格差が大きい。「金色羅皇」は温度に特に敏感なので、通気などの対策で温度溜まりを平準化させることが大事。ので収穫時に奥さんが大変。いので、農家所得は高い。当社で販売したJA菊池様の「金色羅皇」の市場評価は高く、生産者の技術によってブランド化ができていると考えております。生産者の技術はもとより部会での栽培技術向上の為の講習会や勉強会を行い、知識を得ることにより技術+知識が2倍にも3倍にもなり、品質の良い「金色羅皇」の確立となっております。JA菊池様としても厳しい基準を設けており、光センサーにて糖度基準を設定し、基準に合格したものでしか「金色羅皇」として出荷できない等、厳しい基準をクリアできたものでないと菊池の「金色羅皇」として出荷できません。以上の事からJA菊池様の「金色羅皇」は厳しい条件をクリアしている為、市場評価や顧客の評価は高いまま推移しております。「金色羅皇」は生産者の技術、知識で良し悪しが決まる品種と考えております。4カスミブランデつくば並木店での店頭販売の様子●初年度となった令和5年度昨年度は、20戸の農家が合計2.4haのハウスにて「金色羅皇」に初めて挑みました。出荷された玉数は11,300玉。3〜4L階級の比率72%。秀品率67%。平均糖度13.36度。糖度基準をクリアできなかった「無印(『クリームすいか』として出荷)」は22%となりました。当初計画よりも交配から収穫までの日数が伸びたことと、日差しによる玉焼けにより、出荷数量は減少。我々は台木選定から見直し、仕上げ期の換気方法や玉焼け対策のための資材選定にも取り組みました。また、糖度は高いが肥大が悪かったり、逆に肥大は良いが糖度が低いなど、農家個々の課題を抽出し、個別に対策を立てて次年度に取り組んで頂くことになりました。●2年目となった令和6年度昨年度の反省を経て、2年目となった令和6年度は、台木選定を通常の夕顔に加えて「ライオンキング冬瓜」を採用しました。これは、交配期までの低温条件では大人しく、成熟期の高温条件ではバテにくいという冬瓜台木の特性を「金色羅皇」に取り入れるためです。また、玉焼け対策として肥料登録のある資材を採用し、果実に直接散布することでその効果に手応えを得ることができました。そして積算温度計を毎日チェックしながら、換気によるハウス内の温度・湿度管理を強化しました。こうした努力や研鑽の結果、令和6年度の「金色羅皇」の出荷量は、20,500玉。3〜4L階級は56%(すいか全体が小玉傾向だった当年度としてはかなりの高成績)。秀品率は87%まで、平均糖度も13.88度まで向上。「無印」は5.3%まで減少し、玉焼けによるロスも大幅に減少させることができました。●最終年度に向けての抱負「金色羅皇3年計画」の最終年度となる令和7年度に向けては、作付面積6ha、出荷量3万玉を目指しています。それでも「金色羅皇」の品種特性は、部会メンバーの全員に必ずしも適応するものではありません。農家さんはそれぞれ、マンパワーや作付体系、ハウス施設・土質の条件などの経営スタイル・経営資源は異なりますから、無理なく「金色羅皇」を作ることのできる条件が揃った生産者だけで、安定してより良い果実をより多く生産し、産地形成できれば、それが一番だと思っています。最終年度となる3年目にさらに良い結果を残し、糖度品質に太鼓判を押して貰えるようになることで、「JA菊池の金色羅皇」のブランド化を確立したいと思いますし、ひいては「JA菊池すいか部会全体」の産地ブランド価値を向上させたいと願っています。JA菊池すいか部会の皆様、ありがとうございました。「金色羅皇」生産者からのコメント東京荏原青果(株)伊藤慎司 様からのコメント
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