● 次 年 度 以 降 に 向 け た 抱 負 。尾花沢市の夏の平均最高気温は、10年前と比べると約3〜4℃高く推移しており、酷暑に耐えうる品種と栽培方法の確立が急務となっております。また、今まであまり見られなかった炭腐病・黒点根腐病などの被害も増えつつあります。今年度は、使用した台木によっても萎れが目立つ圃場とそうではない圃場の差がはっきりと表れました。次年度の喫緊の課題として、圃場や使用する穂木とのバランスを考慮した台木の品種選定に取り組んでいければと考えております。今後も夏すいか「日本一」の産地ブランドを守り続けていくために、出荷量と品質の維持は永遠のテーマとなります。次年度に導入3年目を迎える「羅皇ザ・スウィート」は、8月以降の出 荷に占める割 合が 多い品 種のため、酷 暑 対 策がより必 要だと考えております。各方面と協力しながらさらなる品質向上に努め、全国においしい「尾花沢すいか」を届けていきたいと思っております。「尾花沢すいか」は当JAにおける園芸部門販売額の8割以上を占める基幹作物となっております。近年はすいか農家を目指した新規就農者が増加し、若い生産者を中心に活気にあふれてきております。一方で、極端な気象変動の影響により生産量の確保が年々不安定になってきております。そのため、生産者の安定した所得確保を目的とし、複数年を要し多数の品種の試作に取り組んできました。そのなかで、耐病性を持ち安定生産が期待できる「羅皇ザ・スウィート」の導入に至りました。新たな品種に切り替えたことによる課題もありますが、今後当産地の中心品種となり、夏すいか日本一の「尾花沢すいか」をますます盛り上げていただくことを期待しております。●昨年の反省を踏まえ、スタートした導入2年目。昨年の反省を経てスタートした導入2年目(2025年度)は、定植時期に例年よりも気温が低く、活着不良をおこすなどのトラブルはあったものの、着果不良や花落ち部分からの裂果という報告はずいぶんと減り、生育状況確認でお越しいただいた7月上旬までは比較的順調に生育が進んでいました。しかし、その後は全くと言っていいほど雨が降らず、さらには高温が続いたことによる草勢低下で熟期が早まり、収穫が当初の予定よりも前倒しとなる生産者が続出しました。昨年とは真逆の天候だったため、炭そ病により出荷不可となったケースはほぼ皆無でしたが、うるみ果による規格外率は昨年よりも上昇し、「羅皇ザ・スウィート」も例外ではありませんでした。しかし、「羅皇ザ・スウィート」は慣行品種よりも2〜3日長く在圃しているにも関わらず、「羅皇ザ・スウィート」の出荷時期である8月以降の規格外率は想定よりも低かったため、当初の目標計画数量に近い数量で終えることが出来ました。糖度に関しては昨年見られたようなバラつきは少なく中心糖度も高く安定していたので、出荷先からも非常に好評でした。東部選果場で使用される出荷シール。西部選果場で使用されるシールとデザインが異なる。7■JAみちのく村山 営農販売部 営農販売担当部長 志村 秀弥 様よりコメントJAみちのく村山尾花沢営農センターすいか生産部会の皆様、ありがとうございました。選果の様子
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